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この、百年

成澤和美×樋口智一 スペシャル対談プロローグ「東京の母。」

樋口は成澤氏のことを親しみを込めて「東京の母」と呼びます。けれど、二人の関係が最初から温かいものであったかと言えば、そうではありませんでした。出会いから22年。親子のような深い信頼関係は、意外にも衝撃的な、ある一つの“質問”から始まったのです。

 

「なぜ日本の生保の保険料はそんなに高いのか?」

場所はとある経営塾。そこで成澤氏は、生命保険営業のプロフェッショナルとして壇上に立っていました。その日、壇上で語られたのは、保険の営業ではなく、人と人との関わりを大切にしてきた、成澤氏ならではの経験談でした。質疑応答の時間──たった一人だけ、手を挙げた若者がいました。当時28歳だった樋口智一。若者の口から飛び出したのは、「なぜ日本の生命保険の保険料はそんなに高いんですか?」という、会場の空気を一変させる直球の質問でした。それまで保険料に対して何か意見されたことの無かった成澤氏は、当然驚きましたが、こう返答しました。「保険って、お金の話に見えるけど、本当は“目に見えない安心”を提供するものなの。それに、企業や人が困ったときに、きっと私たちが手伝えることがある。」そう話した成澤氏の胸中には、怒りにも似た感情が渦巻いていたといいます。

「どうしてこんなに結果を急ぐんだろう。物やお金の話ばかりじゃなくて、その前に“人”が動かないと何も始まらないのに…」先代を亡くし、樋口は懸命に前進しようとしていた時期でした。成澤氏は後にその事情を知り、あの質問の背景にあった必死さに気づいたと言います。一方の樋口はというと、登壇前から「生命保険会社の営業トークが始まるのでは」と警戒していて、互いに距離感や警戒心を抱えた出会いとなりました。

 

主婦からトップ営業へ。

そもそも、なぜ生命保険の営業職である成澤氏が、経営塾に呼ばれたのか。実はその背景にあるのは、彼女自身の「異色の経歴」でした。専業主婦として家庭を支えていた彼女が日本生命に入社したのは、50歳のとき。知人からの紹介で、未経験からのチャレンジでした。そこからは、努力とご縁が連続する日々。入社後わずか5年で、5万人を超える営業職の中で、継続率トップの成績をおさめ、生命保険・金融プロの国際組織「MDRT」*への加入を果たします。その実績が社内報で紹介され、経営塾主催者の方とのご縁があり、講師として招かれることとなったのです。たった5年で、日本生命のエースと称される存在に──。未経験の業界に飛び込んだのもご縁があってのこともあり、『出会うべき人には出会える、遅くもなく、早くもなく。』と成澤氏は当時を振り返ります。

 

「ご縁です」のひと言

社内での昇格とともに、成澤氏はあるタイミングで法人営業から異動を希望します。「会社のためにも若い人に活躍してもらわないと」と、契約していた企業はすべて後進に託す条件でした。しかし、予想外の事態が起こります。「成澤さんが担当じゃないと困る」という企業の声が、次々と上がってきたのです。「本当に、私は何もしてないんです。全部、ご縁。それだけですよ。」誇るでもなく、謙遜するでもなく、淡々と語る姿に、仕事とは何か、人と向き合うとはどういうことか、学びが詰まっています。

 

「東京の母」と呼ばれる理由

「何かあったときに呼ばれる存在になりたい」
その想いを胸に、ただひたむきに人と向き合ってきた成澤氏。その姿勢が、いつしか“東京の母”という存在へと変わっていきました。「長いこと専業主婦をしていて社会に出たことがなかったから、人の話を聞くのが楽しくて。興味を持って話を聞いていると喜んでくれるし、どんどん仲良くなっていくんです。」たとえば、東京に出てきた地方出身の経営者のご子息から、現役の経営者まで——。何気ない話から人生相談まで、親身に話を聞くうちに仲良くなり、いつしか何でも話せる存在に。その結果、“東京の母”と慕われるようになりました。樋口もそのひとり。庶民出身で何も知らなかった樋口が経済界で活動する中で、財界のVIPへのお礼の仕方や贈り物の選び方、各国の大使主催の晩餐会に出席する際のドレスコードの衣装や細かい小物の調達はもちろん、ふるまいや心構えにいたるまで何から何まで教えたのが、成澤氏でした。困ったときはまず成澤氏に電話をする、ちょっとしたことも相談できる樋口にとってありがたい存在となったのです。

 

ただの営業成績では決して測れない、“生き方”としての仕事の姿勢。誰にでも真似できるわけではないけれど、誰もが学べるエッセンスが、成澤氏の言葉と行動の中にありました。出会った当初は、成澤氏に対して、生命保険の営業への警戒心をもっていた樋口でしたが、今ではすっかり「東京の母」として何でも相談できる、かけがえのない存在に。成澤氏のご縁は、商品やサービスを越えた“人柄”によって自然に広がっていくものであり、その姿勢が、今も変わらず多くの人を惹きつけています。

続く第2弾では、そんな成澤氏から樋口が実際に学び、大切にしてきたことをさらに深掘りしていきます。

 

*MDRT(Million Dollar Round Table):生命保険業界におけるトップセールスパーソンで構成される組織で、全世界の生命保険・金融プロフェッショナルの上位約5%のみが入会を許される組織。

 

こちらのインタビューを収録した動画が、まもなく公開予定です!
それに先駆けて、本日『予告編』を公開いたしました✨
予告編では、成澤氏と樋口のやりとりや雰囲気を一足先にお楽しみいただけます。動画はこちら

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