日本食の未来

おにぎりとONIGIRI。

再びおにぎりです。いや、ONIGIRIですか。おにぎりを日本生まれだとすれば、ONIGIRIは日本のおにぎりに端を発した海外生まれの多言語ネイティブ。たとえば、日本で楽しめるステーキは、日本の歴史の中にあってまだまだ浅いですが、アメリカやヨーロッパでは肉食の文化が深いので、全然違うステーキがあるのです。調理方法も、部位の指定、味付け、道具、料理人の意識、食べる人の感覚も違う。肉を焼けばステーキなわけですが、やっぱり違う。米を握ればおにぎりですが、おにぎりとONIGIRIも同様に、違いがある。

 

ということでONIGIRIはおにぎりよりも、多分よっぽど自由です。いや、おにぎりも日本においては自由ですが、ONIGIRIは、もっと自由。米の産地、炊き方ひとつで一口めのONIGIRIの印象は大きく変わる。世界中にいろんな食事スタイルがあるのだから、ONIGIRIが自由なスタイルになるのは言わずもがなである。日本を離れ、さらに大きな世界の中で、全く新しい文化を紡いでいく。

 

一方、きっとONIGIRIを知ったことで、原初の「おにぎり」にまで到達し、そこで新しい価値を発見する人たちがいることでしょう。そこは、私たち日本の独壇場なはず。だって、日本の文化ですから、私たちが一番日常での経験値が高い。拡大するONIGIRIマーケットにおいて、弊社のみならず、日本企業全体としてどんどん前のめりにいきたいカテゴリーの一つである。

おにぎりの歴史は弥生時代にさかのぼる、と言われてますが定かではありません。遺跡から発掘されたものがある、ということはそれ以前より存在するということです。当初はもち米だったようですが、どちらにしても稲作がはじまったころからおにぎりはあったのでしょう。おこわのような考え方であれば、ポリネシアのタロ芋の食べ方や、中国や東南アジアでの食べ方も同じですから、今のように手で握るおにぎりが米粒を丸めたもので、竹皮で包むような携行食という分野から、日本において今のような食文化として決定づけたのは「海苔」の存在じゃなかっただろうか、とも思います。

海苔は、江戸期に養殖の技術が確立され、浅草海苔として誕生したとされます。これによって、海苔でまかれ、栄養的にも、手に米がベタベタとつかないという意味でも、食文化的な存在感におにぎりが到達したのでしょう。現代にいたって劇的に変わったのはやはり具材です。英語で言えば、フィリング。[こちらの記事もぜひどうぞhttps://100th.yamadai.jp/main_dish/986/] おにぎりの魅力は、具材でもあります。

 

現在、私たちヤマダイ食品が提供する海外向けONIGIRIの具は、アメリカにおいてご好評いただいています。引き合いも強く、さらにさまざまな味わいの開発が社内でも進んでいます。それをみていると、ONIGIRIの自由度と、おにぎりの品質をひしひしと感じます。私たちのミッションは、美味しいおにぎりを皆さんにご提供すること。新しい味わいも、伝統的な味わいも、しっかり見つめながら、新しいONIGIRI文化の発展と成長に、どんどん前のめりでいきたいと思います。

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