ヤマダイ食品では、年末に「料亭黒豆」という商品を製造しています。毎年全社員に配られるこの黒豆、社員やその家族の中で「どこの黒豆よりもおいしい!」という声が上がるほか、樋口がお世話になっている日本のVIPの中でも人気だとか…
今回は、市場にほとんど出回らない謎のベールに隠された「料亭黒豆」の秘密に迫るべく、実際に黒豆を炊いている弊社本社工場長の神田(入社35年目)と代表取締役の樋口にそのこだわりや美味しさの秘密を赤裸々に語って頂きました!
美味しさの秘密は…「新物」と「マザーウォーター」。
―弊社の「料亭黒豆」の美味しさの理由を教えてください。
神田:黒豆に関しては、新物、つまり今年出来たものを炊いています。ですので通常だと11月の末ぐらいから豆の収穫が始まり、12月の初旬から中旬にかけて納品があってそれをすぐに炊いています。
樋口:そうですね、これが我々の黒豆の凄さの一つなんです。実際11月末に原料を仕入れてから炊いて、12月末には納品するって現実的じゃないんです。だから世の中のおせち料理に入っている黒豆は、その年の新物ではなく、去年採れたものなんです。そんな中、僕らは今年取れたものを、正月に食べているっていう、実はすごく贅沢な話なんです。国内日本一部の超高級料亭だけがやってることです。
更にうちは三段階ある丹波黒豆の中でも、最高級である篠山産の丹波黒豆を使用して作っています。
今年のとれたての豆を神田さんが見て、豆とちゃんと相談をしながら炊いてもらっているのも意外と大事なんです。レシピが決まっていていつも同じ味にしようとすると、同じように出来ないので、毎年炊き時間や砂糖の量が変わったりしています。毎年顔が違うから面白いんだけど、失敗が許されないから神田さんは緊張すると思います(笑)
神田:緊張しますね、失敗すると食材だけで100万円近いミスになりますからね。
樋口:だけどそれを毎年続けると緊張感もあるし、技術の伝承にもなるので、年1回くらいやろうといって作り続けているのが、黒豆なんです。
もう1つの凄さは、”マザーウォーター”を使っている事です。
マザーウォーターってウィスキー好きの中では結構有名な言葉なんですけど、例えば新潟のコシヒカリを新潟の水で炊くのが一番おいしいという考え方で、黒豆が育った兵庫県の水をわざわざ購入して、その水で豆を戻してさらに炊いているんです。なので原価は高額になりますが、僕がこの世の中で一番贅沢だと思っている作り方を年に一度だけしているんです。マザーウォーターを使うという感性を文化度で言ったら、総合点でヤマダイの黒豆が日本で最高峰だと思います。そのくらい僕が本気で考えているのがこの黒豆です。
―そもそも、黒豆を作るきっかけは何だったんでしょうか。
神田:元々おせちの下請けをやっていたのがきっかけで、先代が始められたのだと思います。
樋口:そうですね、うちは元々佃煮屋をやっていて、そのときに煮炊き系の仕事を結構いただいてて、やらしていただいたんですよね。その延長線上で、美味しい豆食べたいなって思って、先代(当時の社長)が仕入れたんだと思います。だから元々はこの料亭黒豆って先代が作ったんです。
先代が亡くなった年も、豆が仕入れできたらやりましょうかって話をして、運良く手に入ったので、神田さんが炊き始めました。当時は少し質が落ちましたが、神田さんも年々腕をあげてくれて、今に至ります。
神田:当初は水道水で炊いていたのですが、今の樋口社長に代が変わられてから指摘があって、マザーウォーターを使い始めました。これによって、水道水と比べて一層味が美味しくなったと思います。
樋口:もっと美味しくできるのに、って思って少しずつ変えていきました。ただ、丹波篠山産の原料って、枠が決まっていて、欲しいと言って仕入れられるものじゃないので、当時仕入れルートを持って黒豆を作り始めた父親はすごいと思います。
―炊くのに神田さんの技術力を要するという黒豆ですが、現在は工場に何名程炊ける方がいるんでしょうか。
神田:現在は私ともう一人くらいですね。二度炊きをするのですが、一回目は自分で炊いて、二回目からもう一人に任せるという形をとっています。
樋口:3人目の候補はいるんですか。
神田:まだ候補はいないんですよね。3人目を作らないといけないですね。
黒豆愛好会と全社員で分け合う独特の文化。
―毎年黒豆を贈っている、「黒豆愛好会」なるものが存在するとお聞きしたのですが、どういったものなんでしょうか。
樋口:「黒豆愛好会」は、私の人生を拓いていただいた方とか、本当に助けていただいた方とか、一緒に大変な思いをしてきた方とか、そういう方を私が独断で選抜している会です。私が人生で間違いなくこの方にはお世話になったという方や、人生でこれから関わっていきたい方に、黒豆をお送りさせていただいています。いろいろな方がいますよ、上場企業のオーナーさんや政治家さん、元アスリートもいます。しかもいわゆる食品業界のVIPで超グルメな方々に食べたいと言っていただけて、毎年皆さんとの物々交換を前提とした逸品として扱っています(笑)
黒豆をお送りする事で「まだ生きています」という事を伝えるのと、今年こんなことをやりましたという内容のお手紙も一緒に送らせて頂いています。これがまたかなり赤裸々な私のぶっちゃけ話だったりもして、このお手紙を楽しみにして頂いている方もいるようです(笑)
あとは神田さん、やっぱり従業員の方が毎年楽しみにしてくれていますよね。
神田:そうですね、皆さんとても楽しみにしてくれています。
樋口:黒豆を始めた当初は、従業員が20人くらいだったので一人1kgを2パック貰えていたんですよ。でも従業員も200人ほどになって(グループで200名超)、仕入れが出来る量は決まっているので当然一人あたりの量が少なくなっていくんです。ある年に1kgが500gになって、今では300gです。近々200gに規格変更になると思います。昔は余る程でしたが、これからは会社の発展とともに1人当たりに供給される量はどんどん減っていきますね。
神田:今ではちょっと荷崩れしたり、捨てるはずのものも、欲しいという声から、”もったいない黒豆”という商品も出来ましたね(笑)
一生に一度は召し上がって頂きたい、弊社樋口が本気でこだわり抜いた1品。
なかなか市場に出回らない、VIPやグルメな方々に大好評の黒豆を購入できる年に1度のチャンス、是非この機会をお見逃しなく!
※今年の【UJURO byヤマダイ】での販売は終了いたしました※