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観光業界と食の未来

コロナ禍だからこその前進。

人が、現代のように旅行できるようになったのは、40年ほど前のことです。そもそも、移動ができるということはまず平和でなければならず、次に安価でなければなりません。LCCのようなものが登場したのが、1970年代の後半であり、もちろん背景にはさまざまかつ複雑な状況が絡み合っています。さらに20年ほど前より本格化したSNSやインターネットの急速な発達によって、世界中に情報が駆け巡るようになります。こうして、人々が好奇心や興味のままに移動できるようになっていきました。国内も似た状況でした。50年ほど前からの高度経済成長期を受け、新幹線が登場したことで観光の動きが爆発的に拡大していきたのです。だからこそ、新型コロナウイルス感染症のように、国内外が閉じていくという本格的な経験をするのは、世界も日本も初めてと言っていいことだったのではないでしょうか。

特に日本最大級の観光都市の一つである京都が受けた影響は甚大です。緊急事態宣言のあと復活の兆しが見えながら、まん防と緊急事態宣言を繰り返し、繁忙期・閑散期を繰り返してきました。人々の生活様式の変化もあり、3年にわたる疲弊は深刻極まりないものです。私たちヤマダイ食品は、ホテルなどの宿泊施設にさまざまな商品を卸しています。したがって、お客様同様今回の影響は深刻なものでした。この苦境からの脱却を図りとにかく考え、実行し、行動する、しかし結果がでないという日々を過ごしていました。そんな中、コロナ禍にありながら初めて取引をさせて頂いた、京都のホテル様があります。

 

(※写真はイメージ図です)

こちらのホテル様では、手作りにこだわりをもっていたのですが、コロナ禍で先がわからない状況下の中、人手不足や食品ロスといった問題にも直面しました。その為、手作りを続けるのが困難になり、仕方がなく既製品を検討したいとのことでした。その気持ちは非常にわかります。私が観光の際に美味しくないものが出てきたら少しがっかりするでしょう。なので手づくりで美味しいものを提供したい!というホテル様の思いにお答えし、「京野菜×ヤマダイ食品」「手作りベーカリー×ヤマダイ食品」といったメニュー提案をし、この課題を乗り越えました。

この苦境から始まった、お客様との取り組みに深い感謝を感じます。現在では、さまざまな商品導入が進み、和惣菜・洋惣菜・中華惣菜・冷凍フルーツを合わせて、10商品以上の商品をご使用頂いております。あの苦しさを一緒に経験させていただいたからこそよりお客様への思い入れがあります。

そして今、さまざまなニュースで伝えられるように、京都にも活気が戻ってきました。苦しい時期が大変長く、終わりがこないのかという不安に苛まれましたが、ようやく光が見えています。とはいえ、課題に終わりはありません。このコロナ禍で現場の人員を減らさざるを得なかった中、急に観光客が増えた為、オーバーツーリズム状態になっております。引き続き、ともに歩みながらお客様をアイディアや行動でも支えていきたいと思っています。ヤマダイは、「和惣菜」やさんとして知られていますが、洋惣菜、ベーカリー、巻き芯、フルーツジュレ等様々な商品開発に着手しています。お客様に寄り添い、よりお客様に合う商品は何なのか。常に問いかけ続けています。

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