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経営理念『人生最後の昼食に択ばれる企業になる』とは。

ヤマダイ食品株式会社の経営理念は『人生最後の昼食に択ばれる企業になる』。経営理念とは、会社の目指す方向性を定義するものです。今回はこの経営理念について、代表の樋口にお聞きしました!

―『人生最後の昼食に択ばれる企業になる』とは、どういうことなんでしょうか。
「人生最後の昼食」と聞くと、多くの人が“最後の晩餐”を思い浮かべると思いますが、「レオナルド・ダ・ヴィンチ好きなんだな」って思っていただけたら正解です(笑)。人生最後の晩餐、おそらくこれは私が人生で最も考えたお題の一つです。特に若い頃はよく、“自分は人生の最後に何が食べたいのだろうか”を考えていました。その時気がついたのが、最後の食事に何を食べたいかって考える人って、実は不幸なんじゃないか、ということでした。最後は何を食べたいかより、誰と食べたいかが重要だと気がついたのです。そうすると、最後の晩餐は愛する人の作った手料理や、思い出の料理になるんだと思います。そこを企業として狙うのは、おこがましいと思いませんか?だからこそ、私たちは最後から2番目の“昼食”を目指していきたいと思ったんです。

ヤマダイ食品の商品は無添加でヘルシーという特徴がありますが、それは単なる健康志向ではなく、「たとえ明日世界が滅びようとも、今日私はリンゴの木を植える」(マルティン・ルター)という精神にも通じています。 こういう感性を持っている人って幸せだと思うんです。例えば「明日地球が滅びる」と知った時、多くの人は「高級焼肉をお腹いっぱい食べに行こう」「ケーキの食べ放題に行こう」と考えるかもしれません。そして多分世界中が大混乱に陥るでしょう。でも、本当に幸せなのは、世界がどうなろうと変わらず、「今日の昼ごはん、何にしよう?」といつも通りに、穏やかに考えられることではないでしょうか。そして、そういう人たちがたくさんいる社会こそ、健全で理想的な社会なんだと思います。なので、ヤマダイ食品を最後の昼食で択ぶ人が多いということは、そういう精神状態である人たちが多い社会という事であり、そういう社会に僕らは寄与したい。そういう社会を実現するために、僕らがいるんだっていうふうになるといいなと思ってこの経営理念にしました。

―具体的にこの経営理念はどのような形で事業に反映されていますか。
ヤマダイ食品の商品づくりには、いわば“ヤマダイルール”が存在します。しかし、これは明文化されたものではなく、あくまで感覚的な指針のようなものです。言葉で説明すると誤解を生んでしまうため、あえて言葉にしないようにしています。イメージとしては、周波数や波長に近いものです。たとえば、遠赤外線やスマホの電波は目に見えませんが、確かに存在していますよね。同じように、ヤマダイルールも“見える人には見える、分かる人には分かる”ものです。これは冗談のようでいてリアルです。でも理解するためにはレベルを上げる必要があります。組織論においても、社長と副社長の間には、副社長と一般社員の間よりも大きな差があるとよく言われます。それは、実際に社長という立場にならなければ見えない世界があるので、理解されないことが多いです。同様に、ヤマダイルールも経験や視座の高さによって見えてくるものなんです。ただ、誰にでもわかる形で言い表すならば、“美味しくなくてはならない”ということです。あとは、どこまで美味しいかというそれぞれの解釈の差です。

―経営理念を踏まえて、今後の事業展開についてお聞かせ下さい。
最近ではヤマダイ食品を取り巻く環境が大きく変わってきているので、事業展開としては発展していくんじゃないしょうか。あとは今後、価値の創造、企業のあり方について再定義します。なので、展開というよりまずは今までと角度を変えていくっていうことからスタートをします。どういうことかと言うと、ヤマダイ食品って食品メーカーで、惣菜メーカーで、野菜が主力です。でもだからお客さんに選ばれてるわけじゃないんですよね。ヤマダイ食品の商品を通して、お客様は何を購入しているか?というのをみんなでもう1回考えましょう、という事です。

―この理念を通して社会や環境にどのような影響を与えることを目指していますか。
この理念を通して社会に影響を与えることは考えていません。そして環境にも影響を与えることも考えていません。社会に影響を与えるって少しおこがましいと思っているので、なるべく社会にご迷惑をかけないように、社会の発展に貢献をしていきたいです。あとは社会に択ばれ続けることが大事で、環境に対してはゴミをゼロにすることも大事だと思います。その点では冷凍って、保存も効くのでフードロスの観点で見ると意外とエコなんです。

―最後に、樋口会長は最後の昼食に何が食べたいですか?
焼肉ですね。(笑)

―ヤマダイ食品じゃないんですか!?(汗)
正直美味しければなんでもいいです。焼肉の小鉢に冷凍の惣菜が出てきたら、「何冷凍使ってるんだ!やっぱり生鮮がいい」とか言いそうですよね。(笑)でも実際、我々はそういう感性で商品を作っていますからね。「冷凍だからしょうがない」は、一切通用しません。商品開発部が「冷凍だから~」なんて言おうものなら、「うん。でも食感、もうちょっと考えて。無理ならいいよ?」って返します(笑)。だからヤマダイ食品の惣菜が出ても、ほとんどの人は冷凍だって気づかないはずですよ。

~take2~
―最後に、樋口会長は最後の昼食に何が食べたいですか?
ヤマダイ食品のシン・キンピラゴボウと黒豆ですかね!どちらも完全に私の好みで作りましたから。

ヤマダイ食品が目指すのは、“人生最後の昼食に択ばれる企業”。それは、ただ健康的な食事を提供することではなく、「いつも通り」を安心して楽しめる世の中に寄与し、そんな世の中を目指すという事でもあります。「明日地球が滅びるとしても、お昼ご飯、何食べよう?」と変わらず考えられる人がいる社会は、きっと健全で、豊かであるのではないでしょうか。そして、その“何食べよう?”の選択肢にヤマダイ食品がそっと入り込んでいたら――そのとき初めて、私たちの理念が形になったと言えるのかもしれません。今後も皆様に択ばれ続ける企業であるよう、美味しさと向き合い続けていきます。

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