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アスリートの献立

永里優季さんインタビュー「味のあるフィールド」

今回私たちは、「アスリートと食」を探るべく100周年の対談(記事はこちら)にもご登場いただいた、元プロサッカー選手で現在は経営者でもある百瀬俊介氏のご紹介を得て、2011年のFIFA女子ワールドカップのなでしこジャパン優勝メンバーの1人であり、ドイツ、オーストラリア、イギリス、アメリカと各国チームをわたり歩く現役の女子プロサッカー選手である永里優季選手にインタビューさせていただきました。競技を続ける上で注意していること、食への想いなどについてのお聞きしました。

-今回は取材をお受けいただきありがとうございます。永里選手が競技を続けるためのモチベーション作りにはどのようなものがありますか?

無理やり作っているということはありませんが、競技を長く続けたいと思っているので、重視しているのは内的な部分です。たとえば、数字や大会での優勝という外的なものを達成するということもモチベーションになりますし、簡単ではないのでやりがいはあるのですが、やっぱり依存しやすいと感じます。また、達成するとその後のモチベーションを維持することが大変です。だからこそ、自分がなぜこの競技をやっているのか、どうなりたいのかという内的なモチベーションを重視することが大事だと考えています。

-FIFA女子ワールドカップ優勝後もそうでしたか?

ワールドカップ優勝後の4〜5年間は、そこから落ちないでいるにはどのようにしたらいいかということを考えていました。とはいえ2011年はまだ24歳でしたし、自分の実力も未熟だと感じていたので、”優勝した”という実感がありませんでした。常に自分自身が納得できるプレーができるよう取り組みを続けることがモチベーションになっていました。

-気持ちが落ちるといったことは普段からあまりないのですか?

特に年齢を重ねてきて、そうしたことがあまりなくなったと感じています。うまくいかなかったとしても一喜一憂しないようになりました。とはいえ、フラストレーションが溜まることはもちろんあります。そうした時はしっかり発散させることが大事。なるべくその日のうちに解消するようにしています。チームプレーをしているので、フラストレーションがあると注意力が落ちて怪我もしやすくなりますし、仲間とうまくいかなくなることもあります。なので、この仕事に関係のない人、特に自分の場合は妹や旦那にとにかく話してフラストレーションを発散させるようにしています。そうした存在が身近にいることが本当にありがたいんです。

-試合前などはどんなお気持ちなんですか?何かルーティンがあったりするのでしょうか?

ゲン担ぎなどは基本一切やらないですね。食べ物も同じです。そもそもサッカーは移動しますし集団行動が多いので、前もって自分が決めているメニューだけを食べるといったこともできません。試合前などは、用意されているものからしか選べない。そういう意味で言えば、「これがないとダメ」という状況にしないことが大事だと思います。少しでもそれが崩れてしまえば、不安になってしまうので、そうした要素をなくすようにしています。

-なるほど。とはいえ、食事は注意されていると思いますが、どのような点に注意していらっしゃるのでしょうか?

競技スポーツをやってると、身体がどんどん酸化するので消耗が激しいんですよね。特にサッカーは消耗が激しい競技です。その上で「食べる」ことそのものにもエネルギーが必要です。そのため競技後に食べると、さらに身体が消耗するのがわかります。いろいろ試行錯誤した結果、1日の中で食べる時間をなるべく減らしていくことが大事だという結論に達して実践しています。そのため、食べる内容がとにかく重要になります。身体を回復させる食べ物を厳選して取り入れつつも、食べるのに必要なエネルギーを減らしていくイメージです。現在は、これまでの競技人生の中で一番食べてないと思うんですけれど、一番動けている感覚があります。まわりの選手も似た感じです。特に、オーガニックや無添加にこだわっている人が多い印象ですね。あと、肉を食べない選手も多いです。ベジタリアンとか。プレーした国で言えば、食べ物で苦労したのはドイツですね、今いるアメリカはとても食べ物が美味しいですし、種類も豊富ですから困らないのはとても助かります。

-今日はいくつか試食いただきましたがいかがでしたか?

どれも美味しいですね。私は特に中学いもが好きでした。シン・キンピラゴボウも印象的でした。メニューを見て興味があるのは白和えですね。ほうれん草の白和えとか。あと、揚げ茄子の商品も美味しかったです。特に野菜と魚系のメニューをよく意識して摂るので目がいきますね。まだまだ、長くプレーしたいと考えているので、より良い食材をうまく食べながら体のケアに努めたいと思います。応援、ぜひよろしくお願いいたします。

永里選手、今回は取材にご対応いただきありがとうございました。

インタビューにおいて特に印象的だったのは、「まだ目標には到達していない」とおっしゃっていたことです。見た目にも明らかに鍛え上げられ、ストイックな生活を送っていることがわかる永里選手。常に自分の内側にある理想を目指し追求する姿勢に感銘を受けました。また、「食べる」ということの捉え方が、身体の消耗という点とつながっていた視点の深さに驚かされました。次のアスリートにはどんなこだわりがあるのか、楽しみです。

 

ちなみに今回永里選手に取材をさせて頂くきっかけになったのは、海外営業 兼 広報チーム 弊社社員 竹内が永里選手と現地のChicagoでご一緒にご飯を食べたことがきっかけになります。

百瀬俊介氏から出国前、「Chicago行くなら、永里選手にあってきたら?」と、お声がけいただき、「お願いします!」とただ一言。そして会うことができました。もう本当に、何が起こるかわかりません。

ただハンバーガーとフレンチフライを食べ、ただ人生相談をさせていただいたという内容だったらしく、スポーツや食事に関係なく、、、竹内本人は、「永里選手は、有名人とか関係なく尊敬すべき人生の先輩」だと、目を輝かせて日本に帰ってきました。

今回インタビューにお答えいただいた永里選手、本当にありがとうございました。Chicago Red StarsからHouston Dashへ移籍されたとのこと、新天地でのご活躍、心よりお祈りしています。

そしてご紹介いただいた百瀬さん本当にありがとうございました。

 

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