「このふりかけ、なんでこんなにおいしいんだろう?」
ヤマダイ食品から2025年秋に発売される新商品「炊き立てごはん研究所 佃煮のふりかけ其の一」を口にしたとき、思わずそんな素朴な疑問が浮かびました。
樋口は、このふりかけをギフトとして、実際に大切な方々に贈っています。中には、一流のシェフやグルメな方々も。そんな方々へ「贈りたい」と思えるふりかけとは、いったいどんなふりかけなのでしょうか。
本当の、“おいしい”?
改めて、世の中にある「ふりかけ」を見渡してみます。原材料表示を見ると、いろいろな添加物や化学調味料が並んでいることが多い。でも、このふりかけの原材料表示は、しょうゆ・砂糖・つぶごまだけです。
樋口はよく「ディスタンクシオン」という言葉を口にします。「肩書だけで中身のない人はちょっと…」と言うのが口癖で、“側だけよくて中身がないもの”を嫌悪するタイプです。だからこそ、「ちゃんと中身がある、ちゃんとおいしいもの」をつくりました。
きっかけはもったいない
「出汁をとったあとのガラを見たとき、最初に浮かんだのは“もったいない”という気持ちでした」と開発担当のTさんは振り返ります。
ヤマダイ食品では、数年前、「複合調味料に頼らず、基礎調味料だけで味をつくる」という大方針が打ち出されました。その方針のもと、まずは和惣菜の要である出汁を極めるべく、2020年6月頃から、開発部で本格的な出汁の研究が始まったのです。
「昆布と鰹節の組み合わせを果てしなく試しました。昆布は塩味の強さや旨味の出るスピード、鰹節は厚みまで調整して、短時間でもしっかり旨味が出る黄金比を探しました。」
こうして約1年半をかけ誕生したのが、利尻昆布と鰹荒節でとった自社出汁。この自社出汁を使ったお惣菜を次々と展開していきました。しかし現場では、出汁100ℓあたり約15kgもの出汁ガラが出てしまうという課題に直面します。
「このまま捨てるのはあまりに惜しい。惣菜屋らしく、ごはんが進む一品にできないかと考えて“ふりかけ”という答えにたどり着きました。」


「幸福感」を追い求めて
開発で最もこだわったのは、白ごはんと合わせたときの幸福感。使った調味料は、しょうゆ・砂糖・つぶごまの3つだけ。シンプルだからこそ、塩味と甘味のバランス調整には何度も試作が必要でした。さらに、昆布と鰹節を粉砕する工程では、1秒長いだけで食感が変わるという繊細さ。
「昆布の絶妙な食感を残すために、秒単位での制御が欠かせませんでした。
何度も食感の変化を確かめながら、綿密な調整を行いました。」
「おいしい」とは
最後に樋口に聞きました。「たまに“何これ、うまみがすごい!”と料理に対して思うことがあります。あれって一体、何なんでしょうか?」
「化学調味料が入っているからじゃない?化学調味料が入ると、誰でも味が“決まった”と一見感じる。でも、二口目から飽きるのが問題なんだよね。」(――え、そんなこと言っちゃって大丈夫ですか!?と、各所から怒られないか、編集部はヒヤヒヤしております)
「食事はひと口で終わらないからね。ここが最大の難点。僕はあまり好きじゃないですね。」
……確かに!皆さんも心当たりありませんか?最初の一口は「おいしい!」と感動したのに、食べ進めるうちに「あれ、もういいかな…」と感じた経験。どうせなら何口食べても「おいしい!」と思えるものがいいですよね。食を楽しんで、味わい深くて、食べ終わったあとに「ああ、おいしかったな」と思えるものを届けるために、ヤマダイ食品は“脱・化学調味料”という結論にたどり着きました。
「僕たちは、二口目、三口目までちゃんとおいしいものをつくることを目指しました。
その結果が、このふりかけなんです。」
ヤマダイ食品のふりかけは、「もったいない」から生まれました。しかし原材料名の表示が”ひらがなと漢字”だけに本気でこだわった一品です。ちょっと気になる…と思った方は、ぜひ一度、炊き立てのごはんと一緒に試してみてください。発売まで、どうぞ楽しみにお待ちください。