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食べるの未来

プラントベースと、広がる価値観

「プラントベース」「ベジタリアン」「ビーガン」——。
ここ数年で耳にする機会がぐっと増えたこれらの言葉。みなさんの周りでも、一度は話題に上ったことがあるのではないでしょうか?その背景のひとつに、コロナ禍を経て増加している訪日外国人観光客の存在が挙げられます。実際、2023年の訪日外国人数は年間2,500万人に達し、2024年は8月時点ですでに2,400万人を突破。この勢いから見ても、インバウンド市場は明らかに拡大傾向にあります。

そんな中、ベジタリアン・ビーガンの訪日観光客は年間128万人、その飲食費はおよそ609億円にものぼると推計されています(※1)。私たちヤマダイ食品も、日々お客様へ提案活動をしている中で、特に京都府・沖縄県などの観光地を中心に、以前は和惣菜の需要があった店舗でも洋惣菜や動物性原材料不使用の商品を求める声が増えてきているのを肌で実感しています。2025年4月13日から開始した『2025年日本国際博覧会』通称『大阪・関西万博』の影響もあり、多様な食文化の需要(ビーガン・ベジタリアンなど)が急増しています。

 

「プラントベース」とは? ベジタリアン・ビーガンとの違いも

まず「プラントベース」とは、植物由来の原材料を使用した食品のこと。大豆や小麦などをもとに、「肉」「卵」「ミルク」「バター」「チーズ」などの動物性食品に似せた代替食品が数多く開発されています(※2)。外食メニューとしての展開も増えてきており、サステナブルな選択肢として世界的に注目が高まっています。一方、「ベジタリアン」「ビーガン」には、それぞれ異なる定義があります。

ベジタリアン:基本的に動物の肉を避けますが、卵や乳製品を摂る人も。宗教、健康、環境、動物福祉など多様な背景があり、最近では地球環境や途上国支援を意識した「地球市民型ベジタリアン」も増加傾向です(※3)。

ビーガン:動物性食品を一切摂取せず、皮革製品やウールなども使用しないライフスタイルを選ぶ人たちを指します(※3)。その根底には、動物への思いや倫理的配慮が強く根付いています。

 

サステナブルな未来に向けて、ヤマダイ食品の挑戦

プラントベース食品は、動物性食品の生産に比べて環境負荷が低いとされており、サステナブルな社会の実現や、将来的な食糧危機回避の観点からも期待が高まっています(※4)。

昨今、お客様から様々なお声を頂きます。例えば、『ビーガン向けに調味料からこだわってほしい』『現場ではオペレーションの問題でベジタリアン専用のメニューを作れない』など、それぞれの規定やルール、現場の状況に応じた相談が寄せられています。ヤマダイ食品も、少しずつそうした価値観の変化に対応するために、様々な商品を展開しております。最初に商品化したのは2017年、プラントベースという言葉が出来る前から、『VG(ビーガン)』シリーズとして春雨の惣菜をリリースしました。

現在では、VGシリーズ以外も含めて、動物性原材料を使用していない商品はなんと67品。例えば、大豆ミートを使用した「肉みそ」。スーパーフードのケールとひよこ豆を使った「サラダ」。その他、和惣菜・サラダ・冷凍フルーツなど、幅広い製品ラインナップがあります。また、当社は持続可能な食糧供給を目指す「フードテック官民協議会」にも参画し、世界の食糧需要への貢献を見据えた取り組みを行っています(※5)。

 

「おいしい」は、平等

食の多様性が広がる今、私たちはどんな価値観をもった人とも食卓を囲むことができる社会を目指しています。ヤマダイ食品の根底にあるのは、いつの時代も変わらない想い——「おいしい食事を通して、しあわせをつくる」こと。国籍や宗教、ライフスタイルの違いに関係なく、誰もが安心して食を楽しめるように。私たちはこれからも、変化する価値観に寄り添いながら、進化し続けていきます。

(1)観光庁:2023年推計数値
(2)消費者庁:プラントベース食品って何?
(3)日本ベジタリアン協会: ベジタリアンとは
(4)植物性料理研究家協会:プラントベースフードがサスティナブルフードと言われる2つの理由
(5)フードテック官民協議会

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