
ホテルや居酒屋などの外食産業が主な取引先であった弊社も例外ではなく、2020年の4月には売上が以前の3分の1に激減。会社の存続すら危ぶまれたヤマダイ食品が、どのようにしてその苦難を乗り越える事が出来たのか。
まさにその渦中で会社の指揮をとった代表取締役の樋口と執行役員の岡澤、鈴木に、今だから語れる当時の様子について、赤裸々に語っていただきました!全3回に渡りお送り致します!
vol.2では、コロナ禍でさまざまな制限がある中、どのような動きをしたのか、当時の社内の雰囲気について語っていただきました。(vol.2はこちら)今回は、コロナ禍を乗り越えられたポイントや今後の課題と会社の成長についてお送りします!
”運”で乗り越えたコロナ禍
-ずばり、コロナ禍を乗り越えられたポイントは何だったんでしょうか。
樋口:運ですね、運が良かった。コロナ禍で厳しい状況になって、「うちは多分2ヶ月で破綻します、ただもし世の中が僕らのことを必要としていたら会社って潰れないと思うんです」って言っていたんですよ。そしたらゼロゼロ融資(※新型コロナウイルス感染症の影響による企業の倒産を防ぐために打ち出された施策「無利子・無担保での融資」)が始まって、融資が受けられるかもしれないと知人が教えてくれたんです。そこでうちの財務担当が窓口に電話したら面談が出来ることになって、面談した次の日に助成金がもらえたんです。あれはラッキー以外の何物でもなかったです。
岡澤:最初は新規開拓を中心にやっていましたけど、資金調達ができてからはどう人材を抜擢するか、にメインが切り替わったイメージがあります。
樋口:そうですね、新規開拓をして会社の業績を戻そうっていう所から資金調達ができて、会社は大丈夫だと分かって、誰を抜擢するかという視点になりました。私も営業をやめて、この3人で後方支援をしていこうという風に変わったのが、多分2020年の8月くらいからですよね。あの時点でかなり顧客が増えることが見込めたので、社員にハードルを課して、これを超えた人たちをちゃんと抜擢していこうっていうコンセプトに変えたんですよね。そしたら意外と、10人以上が超えてきたね。
岡澤:あとはやっぱり周りが止まってる中、うちは動き続けたっていうのがポイントだったと思います。
樋口:当時、食品業界で動いている会社が少なかったんです。なので、普段絶対会っていただけない、今の成長エンジンになっているような超大手さんが会ってくれたりして、それがきっかけで取引に繋がったというケースも結構あります。
30年後に会社が100倍になっていても納得の努力量
-コロナ禍を経て、新たな課題はありますか。
鈴木:もう一度感謝を持たないと、と思います。コロナから4年が経って、当時はアポが取れたり、オーダーいただいたりしてとても感謝していました。うちだけじゃなくて多分取引先でも当時はお客様が来てなかったのに、今じゃもうお客様が多くて人手が足りないという状況だと思います。そういうのも含めて、もう一度気持ちを入れ替えていきたいですね。
岡澤:あとは、やっぱりコロナ禍で冷凍に参入してくるメーカーがかなり増えたと思うので、逆にうちは冷凍以外の温度帯のアイテムを増やしていくとかが課題になるのかなと思います。
樋口:商品開発して提案、これが課題ですね。
-最後に、今後企業としてさらに伸びていく上で必要な事はありますか。
樋口:今のまま伸びると思うけどね。もう詰将棋ですから、手順を間違えなければ、かなり伸びるんじゃないですかね。あとはあまり早く伸びすぎると早く終わっちゃうから、伸びるスピードだよね。今から30年ぐらいは成長してくると思うんですよ。今回のコロナってそれぐらいのインパクトでしたね。30年後に会社が100倍になってても、そうだろうなって思えるぐらいの努力だったと思います。

コロナ禍の苦境を乗り越えられたポイントは、”運”と、今までのやり方を変えてでも”動き続けた”ことにありました。また、そこを踏ん張った努力量が、今後の成長に大きく繋がっていくのだと思います。全三回に渡り、コロナ禍で何を感じ、どう動き、どう乗り越えたのか、当時は明かされなかったその裏側の答え合わせをすることが出来ました。この経験を糧に、これからもヤマダイ食品で創る「おいしい」を世界中に届け、「Creating Happiness」(しあわせを成す)を実現していきます。