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コロナ特集

樋口智一×執行役員 3者対談 -vol.1-

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、食品業界は大きな打撃を受けました。
ホテルや居酒屋などの外食産業が主な取引先であった弊社も例外ではなく、2020年の4月には売上が以前の3分の1に激減。会社の存続すら危ぶまれたヤマダイ食品が、どのようにしてその苦難を乗り越える事が出来たのか。
まさにその渦中で会社の指揮をとった代表取締役の樋口と執行役員の岡澤、鈴木に、今だから語れる当時の様子について、赤裸々に語っていただきました!全3回に渡りお送り致します!

 

食品業界が受けた影響

新型コロナウィルスの感染拡大により、外出を控え巣ごもり生活になった事で、食品業界の中でも特に外食産業が苦戦を強いられました。食料消費の外食への支出額は大きく減少し、外食産業における業態別売上高では、テイクアウト・デリバリー需要のあったファストフードは3.7%減にとどまったものの、パブ・居酒屋などは50%減と大ダメージを受けました。それにより、コロナ禍の関連倒産数の業種別統計では、2021年3月末時点でホテル・旅館やアパレル産業を抑え、飲食店が最多となりました。
業務用の商品を取り扱う弊社も他人ごとでは無く、コロナ禍以前のヤマダイ食品の主力商品は9割以上が外食やホテル向け(2019年出荷実績より)、当然のように商品が売れなくなりました。

≪参考URL≫農林水産省HP『特集 新型コロナウィルス感染症による影響と対応』

vol.1では、新型コロナウィルスによる影響とその時の心境、また実際にどのような動きをしたのか、当時のリアルに迫ります!

 

テンションが上がった?売上激減と当時の相反する心境

-2020年4月、新型コロナウィルス拡大防止に伴う緊急事態宣言が出て食品業界が大きな打撃を受けたことによる、会社への影響とその時の心境を教えてください。

岡澤:当時売り上げの大部分を占めていたホテルと居酒屋さんにお客さんが全く来なくなって、うちの売り上げも2020年の4月で3分の1になったのが一番インパクトが大きかったと思います。コロナ禍以前は、需要に供給が追いついていない状況でしたが、2020年の1月28日に総工費25億円をかけて東員工場を竣工してここから!って時に、需要と供給が逆転した感じでした。

鈴木:緊急事態宣言が出た次の日から一気に状況が変わったイメージがあります。
宣言が出た事によって、社内的にテレワーク組と事務所出勤組に分かれましたけど、最初はコロナを少し軽視してた部分はありました。感染者数が増えたり減ったりを繰り返す中で、日々減少する売上を見て「これはまずい」と正直思っていましたね。

岡澤:そうですね、確かに目の前の売り上げの数字がどんどん落ちていくのが、最初はまず怖かったと思います。

樋口:私は「来た!待ってた!」って感じですね。20年程前から耳にタコができるくらい、「世の中変わるぜ」と言い続けていたので。当時は誰にも信じてもらえなくて完全にオオカミおじさんだったんですけれど…なので、「今売り上げが0でも全然問題ないから」「40億円ぐらい1人で売るから」みたいな事を言って、テンションが上がりすぎていましたかね。
今だから言えるけど、二人とは若干温度差がありましたね。

 

一気に加速したシステム化

-何か大きく変わったことはありましたか?

樋口:僕と岡澤、鈴木だけの役員ミーティングと営業全体でやるミーティングが始まりましたね。
この役員ミーティングでは営業担当の全員の日報を見て、良い動きをしている人を毎日共有するんです。そこに、せっかく3人で喋ってるんだから、何か時事ネタを提供しようってなって、公太くんが時事ネタを話して岡澤くんがコメントするというのが始まりました。

鈴木:経緯としては、僕はコロナ対策で営業車で通勤していたので、朝ラジオを聞いていると時事ネタが入って来るんですよ。その時事ネタを会議で発表して、コメントをいただくっていうのが新しくできましたね。

 岡澤:日々の行動報告(日報)のシステム化もしましたね。

 

-コロナ前はどのような形で管理をしていたのでしょうか。

鈴木:メールで日報をもらっていました。でもそれまでのメール日報って、他の人は見れなかったりして情報をうまく使いこなせてなかったですよね。コロナ禍でみんなで情報共有できるシステムを導入して、1日の動きを報告するようになりました。最初は全員分チェックするのに2時間半かかりましたけど、今だと慣れて1時間半になりましたね。

樋口:システム化して全てをオープンにしたからある意味で残酷でして。全員が全員分見れてしまうから、誤魔化せないんだよね。だからコロナ禍でより「ちゃんと働かなきゃいけない会社」になりましたね、当たり前なんですけど。

 

総工費約25億円をかけ新たな工場が竣工し、これからという時に、訪れた新型コロナウィルス。
毎日下がり続ける売上に不安を感じていた執行役員のお二人に対し、100年に1回の成長のチャンスだと息巻く樋口、当時の相反する心境の違いが伺えました。また日報のシステム化が進むなど、情報共有の場が増え、会社として悪いことだけでなく良い方向へ変わるべきところが変わった部分もありました。

次回は、そこから実際にどのようにコロナ禍を生き抜いたのか、社員の動きなどに焦点を当てお送り致します。

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