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コロナ特集

樋口智一×執行役員 3者対談 -vol.2-

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、食品業界は大きな打撃を受けました。
ホテルや居酒屋などの外食産業が主な取引先であった弊社も例外ではなく、2020年の4月には売上が以前の3分の1に激減。会社の存続すら危ぶまれたヤマダイ食品が、どのようにしてその苦難を乗り越える事が出来たのか。
まさにその渦中で会社の指揮をとった代表取締役の樋口と執行役員の岡澤、鈴木に、今だから語れる当時の様子について、赤裸々に語っていただきました!全3回に渡りお送り致します!

総工費約25億円をかけ新たな工場が竣工し、これからという時に、訪れた新型コロナウィルス。vol.1ではその時の3人の心境や、そのタイミングで始まった新たなミーティングや情報システム化の取り組みについて語っていただきました。(vol.1はこちら
今回は、当時の社員の動きや、社内の雰囲気等について、さらに深く掘り下げていきます!

 

全員で新規営業、予想外の販路拡大

-当時社員に対してどのような指示を出して、実際どんな動きがあったのでしょうか?

樋口:全社配信で話したのですが、とりあえずコロナが怖い人はうちで待ってていいよっていう話をして、まずは僕とこの二人だけで動きました。その後やったことはすごい単純で、このままいったら会社が沈むから全員で「新規開拓だ!」ってなったよね、売り先が営業できなくなったりしていたので。全員で新規営業をして、ある子は刑務所を北海道から順に営業電話し始めたりとか、ゴルフ場を鹿児島から電話していった子もいたよね。(なぜ沖縄じゃないのか笑)あとは突然パン焼き始めた人もいたし、とりあえず新規!テーマは自由!みたいな感じでした。
それぞれが本当にゼロからやったから残念ながら全く何もできなかった人もいて、あまりにも残酷な完全成果主義でした。ですが変わってくれた人が多かったですね。ベーカリーなんかまさしくそうなんですけど、我々としても意外なところに営業に行くな、と思っていました。

鈴木:本当にそうですね、今ではヤマダイさん売るもの変えたの?と言われるくらい、商品のラインナップに影響を与えていますね。あとは老健施設向けの商品を作ったり、スーパーなどの中食の需要から市販用も必要だよなってなって、商品はどんどん増えていきましたよね。

樋口:あれね、当時100品しかアイテム数がないのに、1年間で200品の新商品を出したんですよ。とにかくその時必要とされている商品を作っていきましたね。

岡澤:営業サイドではお客様が必要とされている提案が出来るように工夫をしていきました。スーパー向けでは、主菜にどう入り込むとか、そういう商品アレンジも何品出したかわからないくらいです。

 

自分からどう離れるか。

-当時の社内の雰囲気はどうでしたか?

岡澤:出社していた営業は結構前向きな人が多かったと思います。変なテンションになってアドレナリンが出てたなって印象ですね。

樋口:僕は当時のこの二人がすごいと思いました。コロナの直前に新しく竣工した東員工場の引き渡しがあって、これで欠品がなくなるぞ!ってみんなが思っていたんです。なのにちょうど2か月半後に売上が3分の1になって、工場竣工のためにかなり投資してるからお金が全然無くて。でも2人はそれを感じさせなくて、すげえなと思ったんです。

岡澤:あんまりマイナスな言葉を使ってはなかったです。あとは社内配信である程度状況をオープンにしたことが、かえって前向きなマインドに繋がったのかなと思います。

鈴木:そうですね、出社してる人間は、もうやらなきゃっていう気持ちがあったと思います。何とか成果を出すためにへこんだ気持ちを持ち上げて、出社組だけじゃなくてテレワーク組も頑張って、実際成果が上がった子もいました。

樋口:僕は結構感動したんですよね。全員家で待ってると思ってたので、よく耐えていただきました。新規開拓はこの3人でしなきゃいけないって思ってたら、当時のチームリーダーで13人程すごい人たちがいましたね。逆に今だから言うんですけど、テレワーク組でも会社に行きたいって僕に直談判で言いに来たら「いいよ」って答えてるんです。

 

-どれくらいの人数が直談判に来たんですか。

樋口:全事業所合わせて2人でしたね。来たいだけでは困るんです。何のために来るのかっていうのは大事で、そこをちゃんと提案できるかどうかなんですよ。要は会社に来たいから来るじゃなくて、これするから出社させてくれ、または何でもするから行きたいでも良かったんです。それがすごく重要で、自分からどう離れることができるかっていうのが、あのとき成果を出すためにすごく重要だったなと思います。
自分のためにじゃなくて、会社のためとか、誰かのためにとか、そういう感性を持った子たちが結果を出して、今のうちの会社が生き残ってるっていうことが言えます。

 

樋口の言う100年に1度のチャンスは、会社だけでなく社員の成長にも大きく繋がりました。これまで通りのやり方や自分から離れ、世の中、またお客様のためにという感性を持つ社員が当時活躍し、今のヤマダイ食品を引っ張っていく新しいエネルギーとなっています。
次回は、実際にコロナ禍を乗り越えられたポイント、今後の新たな課題についてお送り致します。

 

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