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-第2回- ヤマダイ食品本社工場

三重県四日市市富田2-8-19。ヤマダイ食品本社食品の所在地である。3階の建物は、大きく2分割されている。まず、食材が搬入されたら水洗いなどが行われたのち、2階、3階へと上げる工程で下ごしらえが終わる。下ごしらえされたものは、今度は3階から1階に降りる中で加工されて仕上げられていく流れだ。各フロアは通常の家屋の2階分ほどの天井高であり、食品加工業として必要な機材類が格納されている。外観には歴史が感じられるようになったが、中には最新の機材が導入されてきた。時代に応じた設備投資が行われてきたため、ちょっとした複雑な構造体のようになっているところまでは外観からは想像もつかない点であろう。

ヤマダイ食品は過去に2回本社工場を移転している。最初は1975年、四日市市霞ヶ浦への移転である。現在の場所から南に4kmほど下ったところであり、より海岸線に近かった。2度目は1982年、現在の場所への移転であった。この時、今の本社工場が竣工されている。竣工の2年前には株式会社となり、需要が拡大していた冷凍惣菜の流通に応えることを視野に入れ、体制も大きく変えた。この後、ヤマダイ食品は順調な成長曲線を描くことになった。

 

イノベーションとなった冷凍技術

冷凍の技術は画期的であった。そもそも、作ったものが劇的に日持ちするようになるだけでも、物流から提供先までが劇的に変化した。以後、世界的に冷凍技術は目覚ましい進歩を遂げ、設備はより利便性が高くなる一方、巨大化や多様化が進んでいった。さらに現代では、HACCAPなどの新しい品質管理や衛生管理が求められるようになり対応への難易度が高まりつづけている。経営にも、グローバリズムや多角化が求められ、製造工程もより高度な味わいが求められるようになった。こうして、本社工場設立から35年が経った2017年、ヤマダイ食品は新工場の設立を決定。メインバンクとともにシンジゲートローンを組み資金を調達したのち、2020年1月に新工場を竣工したのである。

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