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ヤマダイ食品 カスタマーインサイト事業部 商品開発グループ 第二チーム チーフ 松本奈那

商品開発はいたるところで。

ヤマダイ食品に専属のシェフはいません。私を含め10人ほどのメンバーで構成された商品開発部が、新しい商品のレシピを考案しています。入社したての頃はシェフを中心に企画された商品を開発するのが商品開発部の仕事だと思っていたので、正直驚きました。しかし実際に経験してみると会社のいたるところで企画は生まれていて、それがヤマダイ食品の強みなのだと感じました。というのも、ヤマダイ食品では営業から「お客様がAという商品を欲しがっている」という情報や「どこそこからBという原料を調達したから至急商品を考えて」と要望を受けることが日常茶飯事。それらが企画のもととなって、試作がスタートします。企画から試作に進むには社長の承認が必要ですが、そのハードルはあまり高くありません。どんどん試作して試食会に出すというのが私たちのやり方です。

私の所属している商品開発部のゴールは、企画から試作、試食会、改善を通してレシピを完成させることです。ヤマダイ食品におけるレシピとは、家庭で味を再現するためのものではなく、自分達の工場で作ることを前提としたレシピを指します。そのため工場の設備がどうなっていてどんな機能があるのか、どういった順序で加工をすれば風味や食感が損なわれないのかという工場の働きに関する理解が欠かせません。自分の手で野菜を切り、炒めて味付けをするのとは事情がまるで違います。どのように野菜をカットし、どの順番で機械を使えば野菜が変形しないのか、味が濃くならないのか、解凍して食卓に並ぶ時にベストな状態になっていることを目指してレシピを練っていきます。

 

広がる視野。

私が商品開発を手がけた商品のひとつに「揚げ茄子とインゲンの和風生姜あんかけ」があります。この商品は「茄子を仕入れることが決まった」という前提が決定しており、だから商品化を考えてほしいというオーダーから生まれたもの。作りたいものがあったから茄子を仕入れたのではないというところに、ヤマダイ食品の面白さがありますよね。個人的には制約があると仕事がはかどるので、課題を起点に考えるほうがやりがいを感じています。この商品はアメリカでも販売していて、それは少し味を変えています。食文化が異なるアメリカと日本では「だし」の風味が口の中で広がったときの感じ方が変わってくるようで、そうした違いをもとに開発していくのはとても面白いです。

実は、商品開発の他に興味を持っていることがあります。フードロスに対する取り組みです。私はレシピを作るために本社と工場を行き来しているため、本社での決定がどう工場に影響を与えるのか肌で感じます。例えばパッケージに変更があったとき。工場では店頭に並べることができなくなった古いパッケージの商品を廃棄することになります。商品の中身には何の問題もないけれど、お店に並べることはできない。せっかく作った商品を廃棄する作業は心が痛みます。その経験から別の活かし方はないかと模索し、たどり着いたのがこども食堂。2年ほど前からNPO法人との繋がりを築き、ヤマダイ食品から出るフードロスをこども食堂でご利用いただくことになりました。商品開発以外の領域で、自分の考えを実現できたことはとてもいい経験になりました。しかし、この一件で廃棄がゼロになるわけではありません。フードロスの取り組みに関わらず、自分でたち生み出した商品を社会にどう活かしていくか私たち次第。食品を扱う企業の一員として、今後も視野を広げながらひとつひとつの課題に取り組んでいきたいと思います。

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