営業と農業。
私はヤマダイ食品の中でも、特に色んなことをやっている営業マンだと思います。大きく分けて3つ顔を持っていて、その一つが営業マン、もう一つがチームマネジメント、そして最後がヤマダイ食品の関連会社「株式会社みえきたもぎたてファクトリー」農業部門の責任者です。営業の中では役員を除いて一番経歴が長く、15年ほどになります。得意としているのは提案+開発型営業で、お客様に合わせた商品作りです。今も前線で営業をしながら、名古屋の営業チームのマネジメントに取り組んでいます。株式会社みえきたもぎたてファクトリーでは大きく言えば農業をやっていて、なばなと小松菜を生産しています。
三重県桑名市の出身なので、農業に対する興味は人一倍強かったと思います。妻の実家もたけのこ農家です。2018年にみえきたもぎたてファクトリーを設立したときは、市が開講している農業塾に通いました。そこで出会った先生に、土づくりの基本から肥料選び、防除の仕方など農業の全てを教わり次第にのめり込んでいきました。初年度は問題しか起こらなかったですね。JAみえきたさん・全農みえさんと一緒になばなの新しい規格を作り、地域の農家さんに生産をお願いしたのですが、気候の変化や虫の影響で全く収穫ができないこともありました。なばなの規格を増やすことで菜花の食品ロスを削減できると考えていましたが、新しく始めることの大変さを痛感しました。
隙間を見つける。
ヤマダイ食品は、業界の隙間を見つけて新しいものを生み出すというやり方でここまできたと言っても過言ではありません。それこそ入社した当初は、お惣菜と言えばリパックしてスーパーで販売しているようなものしかなくて、ヤマダイ食品で販売している商品の数も数種類のみでした。それが2008年のリーマンショックを起点に、お弁当の副菜で常温販売できるような商品を開発し一気に販路が拡大。今考えれば誰でも思いつきそうな商品ですが、その商品がヒットしたことはヤマダイ食品にとって大きな一歩となりました。コロナ以前にも、ご飯の素や冷凍の巻き寿司の芯など一風変わった商品が生まれて、ヤマダイ食品としての個性はさらに広がりました。こうして振り返ってみると、ピンチのときこそ思ってもみなかった商品が生まれるものですね。
きっかけはいつもお客様とのコミュニケーションの中にあります。最初から自分の提案を通そうとするのではなく、商談を理由に会いに行き、そこでの会話からお客様に合った提案を導くことで次に繋げます。そうやって関係を築いていくと、ふとした会話から「それできますよ」と商品開発に繋がって、それが業界にとっての隙間だったりするんです。だからこそ営業で一番大事なのはコミュニケーションとお客様との関係性だと考えています。美味しい野菜を育てるのに丹念な土づくりが欠かせないように、人と人との関係づくりが欠かせません。今後も身の回りの環境を育てて、隙間にある「おいしさ」を実現していきたいと思います。